ナロークラッチのスプリング交換と調整法

今回はナロークラッチのスプリング交換と調整法についてです。
 
スプリング交換はこのあたりのセクション。
 
クラッチミートの調整はこのあたりのセクションです。
 
いま装着しているナロークラッチは京都のyuuさんに
新品以上の精度で修正してもらいましたが
スプリングのテンションが足りないようで
加速域でクラッチが滑り気味でした。

ゆっくり加速すれば滑らないんですけど。
 
そんな折、福島旧車会主催ファンクミーティングで
1938年式ELに乗るマッコイさんが
ナロークラッチをアッセンブリーで交換したとの情報を入手。

早速交渉して今まで使用していたスプリングを譲ってもらうことに♪
 
即日発送していただきました♪

マッコイさんが先日まで使用していた
クラッチスプリング(2511-36A)は
ノギスで測りましたが10本の誤差0.5mm以内の良品デス。
 
左)マッコイさんのおさがり
右)今まで使用していたもの

…うーん、yuuさんご指摘の通りで
どうやら違う年代or車種のスプリングを使ってたみたいです。

そりゃ滑るわなww
 
早速取り付けます。

シェルには一切触れないので
アウタープライマリーケースは外す必要ありませんでした。

スプリングの長さが均等になるように配置を工夫します。
 
ここからは自分の記憶の整理用として掲載します。

ナロークラッチの装着および調整方法。

ロックナット(2275-36)をクラッチハブ(2472-36)に
軽くインパクトを当てて締め付けます。
逆ネジになっているので注意。

手前にあるのはアジャストナット(2548-36)の
ロック用ワッシャー(2471-36)ですが
緩む場所ではないので必ずしも必要ではないとの事。
 
ロックナットの外周にあるのは
スプリングテンションアジャストナット(2548-36)。

最初にロックナットをハブに装着するときは
アジャストナットを左回りに目一杯回しておくと
スプリングのテンションが最小になるので簡単に締め込めます。
 
ロックナット装着とアジャストナット調整は専用の工具が必要。

この工具はV-TWINなどでも入手可能ですが
僕のはyuuさんオリジナル製作品!
ラチェットが使用できる優れモノです♪

他の工具では代用がきかないので常備の必要ありです。
 
これらの作業中はクラッチが空回りしないように
2速あたりにシフトを入れておくほうが良い。
    
ロックナットを締め込んだ状態。
アジャストナットは一番手前に来ています。
    
装着したらプッシュロッドスラストプレート(2550-36)を
4本のスタッドにボルトで固定。

1941年以降の3スタッドクラッチと違って
ここではスプリングのテンションを調整出来ません。

完全に締め込みます。
 
最後にプッシュロッドアジャストスクリュー(2463-36)を
先端にグリス塗布してから装着しナットで固定します。

ここは1941年以降のクラッチと同様で
ミッション側プッシュロッドに当たったところから
概ね90度戻したところでナットで仮止め。
    
ここからが調整方法。

クラッチの切れと滑りを見ながらアジャストナットを
少しずつ締めこんで調整します。

調整のたびにスラストプレート脱着の工程があるので
かなり面倒くさい。
    
クラッチ板の滑りがある場合は締め込む量を増やしてあげます。
反面、半クラッチのストロークは短くなって
クラッチの切れにも影響が出ます(切れにくくなる)。

切れと滑りのバランスを微調整しますが
どちからに走行弊害が出てきたら
クラッチ板もしくはスプリングの交換が必要です。
    
僕のはクラッチ板が全く消耗していなかったようなので
アジャストナットの締め込みなくベストな状態に調整できました。

ロックワッシャーの爪を折ってアジャストナットをロックして完了。
クラッチの滑りも全くなくて切れも良好♪ 最高デス♪♪

ナロークラッチ本来のポテンシャルに回復しました。 
    
1941年以降の3スタッドクラッチは調整も楽で
ディスクを2枚減らせばナローケースも装着可能です。

…でも当時のクラッチを使いたいんです♪

スプリングを無償で譲ってくれたマッコイさん
マッコイさんの部品を調達してくれたナカケンさん
調整のコツを教えてくれたvintage1903さん
クラッチ本体を揃えてくれたすぷ兄に感謝。

当然ですがこの人たちもナロークラッチなのだwww







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