外装再塗装編B


続いて1937年式特有のラインを入れます。

フェンダーのリブとラインの距離は15〜19mm。

ナカケン号から実際に採寸した結果ですが
場所によってかなりの誤差があるようです。
 
ラインの太さも
縁の金色は刷毛塗りなので場所によってバラバラです。
ラインは概ね6mm、縁は1〜3mmで
ライン全体の太さとしては平均で11mmです。
 
剥がれている箇所からラインの塗装状況がわかります。
黒のラインを入れた後に縁を刷毛塗りしているようです。

刷毛塗りはスプレー噴霧よりも塗膜が厚いので
「ラインは消えても縁だけは残る」というのが
正しいエイジングのようです。
 
フロントフェンダーのフロント部と
リアフェンダーのリア部はスラッシュカットされています。

エンド部分から25mm、切れ角度は平均で30度です。
 
フロントフェンダーのエンド部分は
スラッシュカットされておらずそのままフェンダーの先まで
突き抜けています。
 
リアフェンダーのフロント部分も同様です。

跨って右側のラインはキックカバー側から覗けますが
フェンダーの先まで突き抜けています。
 
跨って左側のラインは
フェンダーがチェーンガードを避けるために
オフセットされているところで突然終わっていますw

金色の縁もなくそのままです。

フロントフェンダーとリアファンダーのラインが
1本のラインで繋がっているというデザインのようです。
 
ナカケン号のデータを基にラインを入れていきます。

フェンダーリブからの距離は17〜18mmに決定。
ダイソーで購入した100円コンパスを使って
鉛筆で下書きのラインを入れていきます。

後から入れる金色の縁を加味して
まずは8mmの赤いラインを入れます。
 
スラッシュカットは
ナカケン号とHOW TO〜のプロトタイプUの写真から
距離は30mm、角度は約40度
(8mm×12mmの対角スラッシュ)に設定しました。
 
マスキングしてからエナメルの赤色で塗っていきます。
ラインは多少のツヤが出るように吹きつけてみます。
 
タンクのラインの位置については下記の通りです。

デカールとの距離> 5〜6mm
(画像は後から入れる縁を考慮して7〜8mmとっています)

上部ライン>
緑線 デカール先端から35mmが起点

下部ライン>
中央の赤い丸から垂直に下ろした接線が起点
 
上部ライン>
デカールの「H」(逆はN)までのライン
全長285mmになります。

下部ライン>
起点になるものがないので
全長295mmになるところでスラッシュカットします。
 
仕上がりはこのような感じです。
プロトタイプUにかなり近い長さだと思いますが
いかがでしょうか?
 
参考までに
市販モデルのナックルヘッドのラインは
プロトタイプのラインと若干違うようです。

オイルタンクがボディと同色でなく
黒に統一されているのも市販モデルの特徴です。
(初期の市販モデルはプロトタイプと同じ仕様です)
 
ライン上部は
デカール先端から50mmのところが起点になります。
プロトタイプよりも15mm前方に入るようです。

ライン下部はプロトタイプと同じところが起点です。
  
ライン上部のエンド部分は「R」のところのようです。
プロトタイプよりも前方に20mmずれています。

上部ラインの全長は280mm
下部ラインの全長は300mmです。

レストア時の参考にしてみてください。
  
1週間ほど乾燥させてから最後の工程に入ります。
赤いラインに金色の縁を入れていきます。

完成時に一番目立つ赤いラインを6mm幅に揃えるため
3mmのマスキングテープを2列貼って養生します。
  
金の縁の外側になる場所にも
マスキングテープを貼っていきます。

要はダイレクトに刷毛塗りすると
デコボコになって失敗するのが分かっていたので
スプレーと同じように養生して刷毛で塗るという
「妥協」デス。
 
金の縁はナカケン号と同じように
当時の職人の手塗りの雰囲気を出すように
1〜3mmの範囲でのフリーハンドの誤差を
意図的に作ってみました。
  
金のエナメル塗料を刷毛で塗っていきます。

これ相当に難しい作業になりました。
刷毛塗りのテクニックが皆無で
塗膜の厚さにムラが出来てしまいます。

幼少期にガンプラで鍛えたはずですがw
 
更にはナカケン号を忠実に再現するため
赤いラインとアイボリーの両方にかかるように
金色の縁を入れていきましたが
赤いラインはアイボリーよりも
塗料の分だけ高くなっているので
その段差がそのまま金色の縁に出ちゃいました。
 
場所によっては段差が金色の真ん中に入り
そのエッジが消せずクッキリと目立っています。

塗膜も場所によって厚かったり薄かったり。
 
縁を厚塗りして段差を消すことも考えましたが
それはそれで素人には難しい作業になるので結局断念!



   





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